面接は双方向の会話! ポイントは「聞く」「プロセス」「ありのままで」

マニュアル本や志望動機を丸暗記して同じように語る人がいるけど、それでは面接官が知りたい本音や人物像が分からない。あなたの能力や入社意欲を100%伝えるには、自分の言葉に置き換えて語ることが大切だ。

面接は一方通行の会話ではなく、応募者と面接官の双方向の会話だと理解してみよう。会話であれば相手の気持ちを考え、共感してもらえるように、自分の言葉で話したいと思うよね。

1: 会話の基本はまず“聞くこと”

面接官にマイナスな印象を与える応募者の特徴の一つに「人の話を聞かない」というのがある。「質問が終わる前に食い気味で答えてくる」「質問した内容とまるで違う答えが返ってくる」といったケースが意外と多いんだ。相手の話は最後まで聞き、質問の内容に沿って答えることを基本としてしっかりおさえよう。

2: 自分の言葉で語る= プロセスを明瞭に

「御社の××という理念に引かれ志望しました」

よくある志望動機の一つだね。でもこれだけでは、面接官の心を動かすことはできない。なぜ、どんな経験から志望企業の理念に引かれるようになったのか、そのプロセスを具体的に語ることで、初めてあなたの言葉として面接官に伝わり、共感を得ることができるんだ。

過去の経験や今後のビジョン、事例の引用も自分の言葉で語るポイントになるよ。

<回答見本>

【Q】

同じような商品を出す会社は山ほどありますが、どうして当社を希望したんですか?

【NG】

「みんなを幸せにする商品をつくりたい」という気持ちから商品開発に携わってきましたので、御社の「すべてはお客さまのために」という理念に共感し志望しました。

【OK】

御社の「すべてはお客さまのために」という理念に共感し志望しました。

「みんなを幸せにする商品をつくりたい」という気持ちで商品開発に携わっておりましたが、昨今の価格競争の激化から、価格を抑えるために原材料の質を落とすという会社の方針に疑問を感じるようになりました。

そんな時、御社の商品説明会に参加し、低価格なのに品質に一切妥協せず、理念である「すべてはお客さまのために」の実現のため、努力されている姿を目の当たりにし、ぜひ御社でこれまでの知識・スキルを生かし、真にお客さまのための商品づくりを共に追求したいと考え、志望しました。

3: かっこよく話すとか、ミスが許されないという気持ちを切り捨てよう

企業が面接をする理由には、書類では判断できない人間性や本音を知りたいという意図がある。だから、極度に緊張されたり、演技をされると、知りたいことが見えてこない。緊張してしまうのは仕方のないことだけど、面接の意図を理解して、ありのままのあなたで向き合えるようにするといいね。

1次面接突破のカギは“誰に”を意識すること

転職の1次面接と2次面接(最終面接・役員面接)では、面接官のタイプや面接の目的が異なるから、それぞれ対策をとる必要がある。

まずは、1次面接について確認していこう。

1次面接が人事や採用担当者によって行われる場合、面接官は職務経歴書に記載されていることの確認を行い、経験や能力が求める人材のレベルに達しているかをチェックする。1次面接の場合、退職理由、志望動機などは必ず質問されるから、事前に準備しておこう。

1: 履歴書・職務経歴書の内容はきちんと頭に入れよう

1次面接の場合、退職理由、志望動機などは必ず質問されるから、履歴書を頭に入れたうえで、自分の言葉で語れるように、事前に準備しておこう。

2: 会話から企業のニーズを汲み取ろう

例えば求人広告の応募条件に「簿記2級、または同等程度の知識」と書かれている場合、具体的にどの程度の知識が必要なのか、自分がその条件を満たしているのかどうか分からないよね。

だから、面接官との会話から、どのレベルの知識の人材を求めているのか、何のために募集をしているのかを探り、自分の経験や能力を当てはめてアピールすることが重要なんだ。

会話の中で、「経理部門を独立させたいから、新しい部署を仕切ってくれる人が欲しい」という企業ニーズが分かれば、簿記などの経理知識に加えて、「10名程のメンバーを率いて新しい運用ルールの構築・導入を行った経験があります」と伝えることで、面接官に今回求めている人材の能力を自分が満たしていることをアピールできる。そのためにはもちろん、キャリアの棚卸しが十分にできていることが不可欠だよ。

3: 話す相手を意識しよう

1次面接は企業の人事や採用担当者が行うのが一般的。配属部署の社員の場合も、若手・中堅層が面接官となるケースが多い。中小企業ではいきなり社長と面接、といったケースもあるようだけど、そうでない限り、相手の立場を考慮して、 経営者クラスでなければ答えられないような質問は慎んだほうがいい。

また、転職面接では面接官が自分より若いことも想定される。万一相手が年下だった場合も見下した態度・口調にならないよう注意が必要だ。

相手によって変えることと変えてはいけないことをハッキリさせておくといいね。

2次面接では「あなたらしさ」と「入社意欲」をアピールしよう

2次面接(役員面接)が次の面接につながるステップ、もしくは最終面接の場合もある。2次面接は採否の判断をする最終段階であり、質問もより具体的になるから、中途半端な気持ちでは通用しないことが多い。

以下のポイントを確認して、最後まで気を抜かないように注意しよう。

1: 面接官が知りたいのは、ビジョンやパーソナリティ

2次面接では、1次面接を通じて得た情報から、求められる人材像を具体化し、企業ニーズにマッチングすることを意識して臨むことが大切だ。

2次面接が役員の場合、事前にあなたのスキルや経験については確認されているから、入社後のキャリアプランといったビジョンや、仕事に対する考えや困難への向き合い方といったパーソナリティに重点を置いた質問をされることが多い。面接に備えて、それらに説得力を持たせるエピソードをまとめておこう。

<ビジョンやパーソナリティに関するよくある質問>

  • 10年後「こうなっていたい」というキャリアプランを教えてください。
  • 希望していない部署への異動を命じられたらどうしますか?
  • 周りの同僚は、あなたのことをどのように評価していると思いますか?
  • 今までの仕事にどんな不満を持っていましたか? またどのように対処しましたか?
  • 熱中している趣味はありますか?
  • 長所・短所を教えてください。

2: 入社可能時期についての要望は事前に整理

あなたの職務能力や人間性に関心があれば、具体的な入社可能時期について質問されるはず。この時面接官は自社の希望する入社時期と合致するかを見極めるだけでなく、あなたの入社意欲を確認しているんだ。

入社可能時期が未定という回答では入社意欲が低いと判断される可能性があるから、具体的な時期を回答できるよう事前に整理しておこう(通常長くても3カ月以内の入社を期待される)。

3: 最後まで「御社だからこそ入社したい」を貫く

企業としては、内定を辞退されれば新たに募集を行わなければならないから、面接終了間際に応募者の入社意欲を再確認したうえで内定を出したいと考える。

だから「内定を出したらご入社いただけますか?」と質問する面接官もいるよ。この時「分かりません」「考えさせてください」といったあいまいな回答をしてしまうと、自社が第一志望ではない、あるいは本気で転職を考えていないと判断されてしまう。第一志望でないとしても、入社したい意思を明るく回答しよう。

最終的には「御社に入社したい」という熱意が、面接官の心を動かし採否のポイントになることを覚えておこうね。

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